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論文をrejectされた記念に、症例報告の書き方の本を紹介する

先日出したケースレポートが無事にrejectされました(泣

 

英文の症例報告はまだまだ初めてであり、超大手ジャーナルだったので、仕方ないと思ってますが、残念な気持ちにはなりますね。

 

査読者からも示唆に富むコメントが結構もらえたので、ひとまず出して良かったです。

 

ただ、、やっぱりちょくちょく査読者のコメントにみえてくるのが、「英語の文法ちょっと気になります」の声。

 

そこで、悔しさのあまり症例報告(英語論文の書き方を含む)の書き方の本を追加で買ったのでまとめて紹介します。

 

目次:

 

 

松原茂樹著『論文作成ABC:うまいケースレポート作成のコツ』

自治医科大学産婦人科の教授が書かれている本です。表紙に「大漁の旗」がありますが、ケースレポートとは魚を網で囲って集めて(意味のある知見を見つけ出す)→大海へ放つ(一般化する)というイメージをもとに、ケースレポートとはどういう意味があるものなのかを定式化して、説明しています。意味のある知見を2つは見つけ出そう、という「2つ分かった法」なんかもケースレポートの定式化として非常に分かりやすいです。あとはintroduction~discussionまで論文の構成を、実際の著者の英語論文を出しながら、ひとつひとつ丁寧にみており、英文ケースレポートについてはこの1冊が一番だと思います。

 

國松淳和著『はじめての学会発表 症例報告: レジデントがはじめて学会で症例報告するための8scene』

南多摩病院の膠原病内科の先生が書かれた本ですね。これはタイトルの通りで「はじめてレジデントが(国内の)学会発表する」ための本です。準備~抄録~発表までマンガ形式で学べます。どういった点の内容に注意するか、間違った例と修正例も並べて書いてあります。平易で読みやすいですが、あくまで「はじめてのレジデント向け」ではあります。学会発表を命じられた研修医が最初に買う一冊としては適切だと思います。

 

植村研一著『うまい英語で医学論文を書くコツ』

脳神経外科医であり、現在は浜松医科名誉教授、日本医学英語教育学会名誉理事長の植村先生による一冊です。1991年に初版が出された本でありながら、なんと昨年2019/10に改訂。native speakerにとっての気持ちのいい英語“comfortable English”とはどんなものなのか、後半では100本ノックと称して大量の実例(書かれた例→訂正例)を交えながら、説明されています。
この”comfortable English”というのが、医学論文に限らず結構大事な概念だと思います。例えば、日本語を結構流暢に話せる外国人をみたときに、「文章で書いてみるとなんか気になる表現」とか「ちょっと場にそぐわない言葉」とかある程度は伝わるんだけど、何か”comfortable”でない表現というのもあると思います。これって中々言語化できるものではないので、学びにくく、これこそが言語独特の難しさになっているのかなと思います。
本書ではとにかく論文英語の本質は「短く伝える」こととして、より短い表現かつ伝わりやすい表現を中心に説明しています。確かに英語で書かれたものをみたときに「なんでこんな書き方にするんだろう」と思ったりもしますが、そう感じる点こそが実はポイントだったりするわけですね。
英語で論文を書く人にぜひ読んでもらいたい一冊です。
 

谷本哲也著『生涯論文!忙しい臨床医でもできる英語論文アクセプトまでの道のり』

大学勤務ではない一般の臨床医でありながら多様な分野にわたる論文を大量に書かれている谷本先生の書かれた本です。一般臨床医でもこれだけ論文が書けますよ、というアイディアの詰まった本で、各ジャーナルの特徴の話から症例報告・臨床研究のアイディア、統計、論文不正、共同研究の仕方、論文の書き方、投稿先の選び方、と著者の広い経験をもとに、とにかく幅広い経験的知識が紹介されています。レターやオピニオンを書いてみよう、という発想や他の分野の先生との協力というのも、あんまり今まで考えたことがなかったので、論文やジャーナル、研究との向き合い方が変わるという意味でお勧めしたい一冊です。
 

エディテージ著『英文校正会社が教える英語構文のミス100』 

これはエディテージという英文校正の企業が出した本で、医学論文に限らず論文全般の英語のミスについて書かれた本ですね。生命科学分野も一応入っています。上述の本にも出てきますが、ネイティブでないと難しい冠詞の話や、個人的にはよくわかっていなかった「コロン」「セミコロン」「カンマ」の使い方など実際に日本人がつまづきやすい=校正されることの多い内容を紹介してくれているので、tipsの詰め合わせではありますが、勉強になりました。中には、「え、これは基礎文法事項じゃないの」と思ったりする内容があるのと、そもそもの論文全般の書き方の話も多いので医学分野に特化しているわけではない分、医師の自分にとっては読まなくても良い箇所も多かったです。
 
 
一通り読んだらまた論文へのモチベーションは上がったので、再度また頑張ります。