Youtube更新しました。
第4回は推測統計の話です。
臨床試験(特にランダム化比較試験)をやる際に、ある母集団から標本を抽出して試験を組みます。そこから母集団の効果を推測するのが推測統計の考え方ですね。
基本的な話かもしれませんが、少なくとも通常臨床を普通にやっている範囲では全く触れることがありませんでした(汗
「過度の一般化」が特に起きやすい問題です。
・第3相試験でexclusion criteriaに入っている患者さんに、リスクベネフィットのバランスをよく考えずに処方する
・薬剤がadd-onの試験デザインになっているのに、1st lineで処方する
・含まれている年齢層が非常に少ないのに超高齢でも処方する
などなど、元の試験について何も考えずに処方するのは問題であるかなと思います。その辺は添付文書に書いてあることは多いですけどね。専門として用いるメジャーな薬に関しては、大規模ランダム化比較試験の内容は簡単にでも知っておくべきでしょう。自分の使う薬全部を見ていくなんてことはできませんが、、、数を絞ってやるしかないですね。
動画でも述べているように、効果はあくまで「その試験での限定的なもの」なので、ズレうることを承知しておかないといけません。こうした個人に対しての配慮は医師が必ずしも正しいわけではありませんが、(おそらく今後も)データだけではどうしたって完全な答えが出せないものなので、そうするしかないように思います。「臨床試験に組み込まれる人とそうでない人には違いがある」といったことはこの辺の論文などにも記載されています。
もちろん「試験に組み込まれていないから」「試験とは違うから」といってそこから外れた人のことは全くわからない!なんていうのは硬直しすぎな考えですが、医療に関して比較的確実であろう部分とそうでない部分の違いを知っておくのは必要ですね。
次回は「仮説検定」をテーマにする予定です。いつもみんなの議論のタネになるP値についても触れていきます。
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