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不安をあおるだけの新型コロナウイルスのニュースにウンザリしている話

今日のニュースでこんな記事が。

 

変異のコロナ 世界で影響拡大 専門家「国内入る前提で対策を」 | 新型コロナウイルス | NHKニュース

感染力7割増し、欧州各国でもコロナ変異株 英国から [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 

 

内容を読んでいくと、「スパイクたんぱく質」と呼ばれるヒトの細胞の受容体にくっつくたんぱく質が変異したウイルス株が多く確認されているよ、というお話のよう。一般的な医学で学ぶ知識としてウイルスは感染・増殖の過程で変異をするものなので、それだけであれば、「そんなこと今もどこかで起こり続けているでしょう」でおしまいかなと思うんです。

 

改めてNHKニュースの見出しを見てみると

 

「変異のコロナ 世界で影響拡大」

 

まるで、変異したコロナが世界で猛威を振るい始めているかのようにみえます。”影響”というのは、イギリスで発見された変異株を警戒して周辺国がイギリスからの移動を封鎖しているということのようです。

 

変異した株による感染の重症度が示されているわけでは決してありません。同様に変異株が確認された国が大幅に感染者を増やしているわけでもありません。

 

イギリスを代表する医学雑誌BMJにもニュース記事としてまとめられていました。

Covid-19: New coronavirus variant is identified in UK | The BMJ

 

「感染力が強いのか?」という質問に対して

“This variant is strongly associated with where we are seeing increasing rates of covid-19. It’s a correlation, but we can’t say it is causation. But there is striking growth in this variant, which is why we are worried, and it needs urgent follow-up and investigation.”(上記より引用)

 

「感染者数の増加と相関はあるが、増加の原因とはいえない。変異株の急激な増加があるので、それを懸念しており、早急にフォローアップと調査が必要だ。」とあります。そして、重症度との関係は示唆されていません。

 

 

 

続いて、朝日新聞デジタルの見出し。

 

「感染力7割増し、欧州各国でもコロナ変異株」

 

なかなかのパワーワードです。

 

ここでふと「感染力7割増しなんてどうやって分かるんだ?」という疑問が生まれます。

 

変異株の感染者数を追っていく?全部の症例について変異かどうかを調べていく?

 

明らかに無理そうです。記事には冒頭に「感染力が従来より最大7割強いとされる」と当然の事実のように書いてあります。誰が言ったかと思えばイギリスのジョンソン首相でした。NHKの方の動画をみると確かにそのように言っています。

 

元のネタはBBCニュースのようなので、そちらのページに飛んでみました。

New coronavirus variant: What do we know? – BBC News

 

プレゼンテーションの中で「70%増し」というのを医師が述べていたようです。youtubeにプレゼン動画ありましたが、すみませんがそこまでは見る気力がありませんでした。

During the talk he said: “It is really too early to tell… but from what we see so far it is growing very quickly, it is growing faster than [a previous variant] ever grew, but it is important to keep an eye on this.”

There is no “nailed on” figure for how much more infectious the variant may be. Scientists, whose work is not yet public, have told me figures both much higher and much lower than 70%.(上記より引用)

上の文を読むと、つまり、その数値を示すような肝心の図表はないわけで、まとめた内容・研究も公表されていない。だけど70%という吟味できない数値だけが独り歩きする。一国の首相が中身が公表されていないような数値を全国民に伝えて、さらなる不安と混迷に導いてどうするのだろうと思います。

 

コロナの利用可能性ヒューリスティックは高められ続けている

人はたいてい何かが発生する確率を考えるとき、身近な事例を通じて判断します。行動経済学の用語でこれは利用可能性ヒューリスティックと呼ばれます。
 
例えば飛行機事故や飛行機を使ったテロのあとには、大々的なニュースをみて、飛行機に乗った際の事故の確率が過大に評価されます。飛行機の利用が減少し、そのぶん自動車の利用率が増加したりします。
 
ただ問題なのは、実際は飛行機よりも自動車のほうが事故で死亡する確率のほうが高いということ。
 
まして多くの人が飛行機をやめて車を使うことでなおさら事故の確率が上がってしまうことがあります。確率や頻度は直観では人はうまく判断できないわけです。
 
新型コロナのニュースの現状はこの利用可能性ヒューリスティックの作用を高め続けています。直観的なコロナの死亡率や感染確率は高まり続けていることでしょう。もうすぐ1年になるにも関わらず、まったく報道が変わる気配がないことに本当にうんざりします。
 
例えばこうした数を全面に出す見出しは、見飽きるほど毎日出されます。

東京 新型コロナ 1人死亡 392人感染確認 月曜日の発表では最多 | 新型コロナ 国内感染者数 | NHKニュース

 

検査数に応じて変化するような感染者数が重要ではないこと(もちろん意味がない数値ではないですけど)、死亡者数や重症者数を交えた数値のほうがはるかに意味があることは、いい加減分かると思うんです。

 
そして、この謎の「月曜日の発表では最多」という文言。いちいち曜日ごとに最多ということに何か意味があるのでしょうか。ウイルスは曜日で活動を変えているんでしょうか。
 
検査数などの問題で土日との違いがどうこうは分かる気もしますが、それでも曜日ごとの数値を比べて「最多」と言いたがる意味は分かりません。
 
「最多」がなければ「感染者数~人以上が~日連続は初めて」など手を変え品を変え、何かと新記録を樹立させたがります。今や純粋な数値は調べればすぐに出てきますので、数値を知りたいならそれを見れば良く、明らかに不安を煽るだけの解釈をいれた見出しは、精神的に悪影響でしかありません。
 
こうしたコロナの利用可能性ヒューリスティックで問題なのは、先ほどの飛行機と車の例と同様に、もう一つの問題である「失業」、「倒産」、さらに「自殺者増加」という実際には膨らみつつある問題(というかすでに膨らんでいる)をマスクしてしまうことです。
 
以前の記事でも書きましたが、人が死ぬのは病気そのものではないことも多いわけです。

medibook.hatenablog.com

 

皆がこうしたニュースの見出しを真に受けているわけではないと思いたいですが、もうそろそろ必要以上に過敏になるのはやめて、自粛による生活への影響を本気で考えてほしいと思います。
 
指定感染症も1年延長となりましたが、これも本当に生活の影響を多大に受けている人のことを思うと、どうかと思いますけどね、、、。保健所の負担もかかり続けています。

厚労省、新型コロナの指定感染症を1年延長へ 感染症法の改正検討 – 毎日新聞

 

ネット上での賛同を求めるサイト”change.org”で指定感染症レベルを下げるキャンペーンがありましたので、興味ある方は調べてみてもらえるといいかなと思います。賛同する方はぜひ意思表明を。

キャンペーン · 経済活動に関わる全ての人: 新型コロナの指定感染症レベルを下げてください! · Change.org

 

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