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論文の関係性を可視化するツール③”Connected Papers”

ここまでInciteful, ResearchRabbitと紹介してきましたが、論文をグラフで可視化するツールの紹介はひとまず今回で最後となります。

論文の関係性を可視化するツール①“Inciteful“
論文の関係性を可視化するツール②”ResearchRabbit”

今回紹介するのはConnected Papers

サイトが一番綺麗に整っているイメージがありますが、それもそのはずこちらは無制限に使用するには有料なんです。月5回のグラフ生成までは無料ということで実はあんまり使えてないのですが、こういったツールの中では比較的有名な印象でグラフ生成ツールとしては外せないと感じましたので、今回見ていきたいと思います。

公式ページはこちら
Connected Papers | Find and explore academic papers

Connected Papersとは?

指定した論文から関連性の強い論文でグラフを作成してくれるウェブツールです。ResearchRabbit同様にアカウントが必要ですが、無料だと月に5個までしかグラフを作成できないようになっています。

他のツールとの違いはグラフが引用関係ではなく論文同士の関連性によって結び付けられている点です。関連性は引用や参照の重複が多いほど強いと判断されており、関連性が強いものであれば直接的に引用関係になくても近い位置に配置されることがあるようです。データベースはSemantic Scholar Paper Corpusを用いています。

Semantic Scholar | AI-Powered Research Tool

Semantic Scholarは自然言語処理技術を用いて、関連性を中心に論文を整理・分析する検索エンジンのようなので、こういった関連性を浮かび上がらせるには適しているのでしょう。

ちなみに無制限にグラフ作成をするには月約1000円程度の課金が必要です。研究用とビジネス用で値段がさらに違ってきます。

使い方①単一の論文からグラフを生成する

まずは他のツールと同様に論文名、キーワード、DOIなどを入力し、論文を選択します。(以下の写真はconnectedpapers.comより引用)

するとすぐにグラフが生成されます。incitefulの場合と同じ”Structure-based classification of tauopathies”で表示してみました。

グラフの見方は

円の色の濃さ:濃ければ新しい論文、薄ければ古い論文
円の大きさ:大きければ被引用回数が多い、小さければ被引用回数が少ない

となっています。

画面はシンプルで左側にグラフ内の論文リストが並び、左側に個々の論文のアブストラクトが表示されます。

そのまま各論文をアカウント内に保存したり、リンクでpubmedやgoogle scholarへ飛ぶことが可能です。

ちなみにincitefulで表示されるsimilar papersと比較してみたのですが、出てくる論文は多少違います。確かにこちらの方がタウの構造に着目したような論文が多い印象で、単純な引用というより意味を感じ取っている印象はあるのですが、その一方で被っている論文も多いです。分野に精通していない現状ではこれが果たして実用上どこまで問題になるのかはイマイチわかりませんでした。

使い方②過去あるいは後続の研究を調べる

画面上部にありますPrior works, Derivative worksをクリックすると過去あるいは後続の研究がリスト化されて表示されます。

この機能はResearchRabbitのものと似ていますね。著者名や年代でソートすることも可能です。

使い方③複数の論文からグラフを生成する

使い方①の画面から論文を選択し、 Add originをクリックすれば複数の論文からグラフを作成することができます。これでグラフを作成する場合も月5回の制限に含まれてしまいますので、注意が必要です。

まとめ

課金していないので十分には使えていない部分もありますが、特徴について以下にまとめてみます。

・引用ではなく関連性の高い論文を抽出してグラフ生成するツール
・アカウント作成が必要で無料ユーザーは月5回のグラフ作成制限あり
・過去、後続の研究や複数の論文からのグラフ生成も可

有料という部分もあってか十分に使えていないのかもしれませんが、正直にいったところ有料にも関わらずIncitefulやResearchRabbitを大きく上回る利点は感じられませんでした。なんなら提供される情報量としては他の二つより少なく感じます。質が良いというのがもしかしたら利点なのかもしれませんが、、、そこは十分に評価できませんでした。個人的にはこれまでに紹介した他の2つのツールをお勧めしたいところです。利点があれば教えていただきたいですね。

さて、今後もこれらのツールをうまく使って研究生活を進めていく予定です。他にも興味深いツールがありましたらまた記事でも書いていこうと思います。