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国際学会発表で使える英語表現【講演開始・終了編】

これまで英語で学習したことをまとめる記事では基本的に類義語の違いについてまとめてきましたが、大体この内容はChat-GPTに聞くだけでかなり正確に答えてくれてしまうんですね、、、。そうなると類義語の違いをちまちままとめ続けるのも何だか徒労に終わる気がしてしまいました。

そこで、今後は大学院生活で起きうるようなシチュエーション・カテゴリ毎に自分が使いたくなるような表現を集め、適宜必要に応じて類義語をまとめるような方向性にしたいと思います。

使いたいフレーズの紹介、これまで同様の単語の掘り下げ、参考動画・音声の共有をまとめていく予定です。

お役立ちフレーズのみ紹介している本やホームページは結構あると思うのですが、個人的にはフレーズをただ並べただけだと退屈して覚える気が起きませんし、応用が利かなくなってしまうので合わせて単語の紹介もしていこうと思っています。自分がすでに十分使える表現や単語は扱わないので勉強メモ的な意味合いが強めです。参考サイトや文献、動画も合わせて置いておくので他の方がみても勉強には役立つと思います。

まず、今回は大学院生活において遭遇しうる国際学会での発表で使える表現についてまとめてみます。最初は開始時あるいは終了時の挨拶の代表的なフレーズをみて、そこから類似のフレーズや表現を掘り下げていきます。

フレーズ集

講演開始・終了時(座長編)

まずは座長で使われる表現から。主に「感謝を示す」「紹介する」「締めくくる」という流れのフレーズを示します。フレーズ内のキーワードを使って応用していくための説明は後ほど書いていきます。

Welcome to something(カンファレンス名、セッション名など).
~カンファレンスにご来場いただきありがとうございます。

I’d like to welcome you all.
お集まりいただきありがとうございます。

Thanks for joining us.
ご参加いただきありがとうございます。

I will be your host in this session.
私がこのセッションでのホストを務めます。

I would now like to introduce the first presenter.
それでは今から初めの講演者の紹介をさせていただきます。

Dr~ will present his/her abstract titled ~.
~先生は~というタイトルの要約について発表いただきます。

Please share with us a summary of the findings of your research.
研究で得られた知見の要約についてご説明(共有)をお願いします。

We will now move on to the next presenter.
ではこれから次の講演者に移ります。

I would like to introduce Dr.~, who will make some closing remarks.
クロージングリマークスをしてくださる~先生を紹介します。

講演開始・終了時(講演者編)

続いて演者です。こちらも「感謝を示す」ことに始まり、「講演を開始する」「締めくくる」部分の流れを主にみていきます。

Thank you for that introduction.
ご紹介いただきありがとうございます。

It is my great pleasure to have the opportunity to talk today.
今日お話しさせていただく機会を頂くことができ、大変嬉しく思います。

I’m pleased to discuss this work.
この件について議論できることを嬉しく思います。

I’ll roughly start with ~.
~からざっくりと始めたいと思います。

Let’s move onto the next slide.
次のスライドに移ります。

That brings me to the end of the presentation.
これでプレゼンは最後になります。

Thank you for your attention.
ご清聴ありがとうございました。

では、続いて個々の単語をみながら役立つ類似表現、単語の使い方についてみていきます。

単語・イディオムの詳細

welcome

学会で最もよくみるのはWelcome to ~で学会参加への感謝を示す形かと思います。動詞では

I’d like to welcome you all.
皆様を歓迎したいと思います。

It is a pleasure to welcome you all.
皆様をお招きすることができ嬉しく思います。

といった表現にも使えます。
またほかにも名詞、形容詞の働きがあり、上記以外の形で

Please give Dr ~ a warm welcome.
~先生を温かくお迎えください。

のような名詞形での使用もみられます*1。

join

Thanks for joining us today.
本日はご参加いただき有難うございます。

これはバリバリによく見る表現ですね。American association of neurologyのPodcastなどインタビュー系の内容でも必ず最初に出てくるフレーズです。join somebodyで人を目的にする他、strikeなどの人以外の対象にも用いられます。例えば

Approximately 100 staff members have joined the strike.
約100人のスタッフがストライキに参加した。

のような形です。他にも「会話の輪に参加したい」といった学会での団らんの場面でも使えます。

Do you mind if I join you?
私も参加してもよいですか?

would like to ~

日本語で言う「~したいと思います」という場面で頻出するフレーズです。学会を進行していく場面でwillwould like tolet me~といった語句はかなりの頻度で出てきますね。

日常でも良く出てくる表現なので、慣れたものな気はしますが、使っている場面をみたところnowを含めた場合

I would now like to ~

という語順が多かった点は覚えておきたいです*2。

share

知見を共有する、という表現で良く出てきますが

share something with somebody

という語順で人を目的にとるときにwithを伴うようにする点に注意が必要です。
特に最近はZOOMなどを用いたオンラインでの発表も多いですが、画面を共有する際にもshareは便利な単語です。

Can I share my screen with you?
私の画面を共有させてもらって良いですか?

といった感じで使えます。

move on to ~

idiomとして次のステップへ進んでいくときによく使われる表現です。move onだけでも先に進んでいくといった意味がありますが、そこにtoがつくことで方向性を明確に示しているように思います。

同様に進行していく場面で使える表現として

I’ll pass off to the next presenter.

といったものもあります。司会や発表者などを引き継ぐイメージです*2。また最近はZoomでの発表も多いですが、会話の進行を別の側に移す際には

Let me turn it over to you.

という形で「そちらにお返しします」「そちらに移ります」ということを示すこともできます*1。
どれもさっと出せるようにしておきたいですね。

start with ~

「~から始めましょう」と言った時に使える表現です。同様の表現としてbegin with, start byなどがあり、いずれも「〜から始める」と言った意味で使えます。

目的語なしで使う場合は、”Let’s begin.”の他、”Let’s get started.”や”Let’s kick it off.”

It is a/my pleasure to ~

idiomとして「~できることを大変うれしく思います」という意味で頻出するフレーズです。バリエーションとしてgreat pleasure, absolute pleasure, distinct pleasureなどがあり、人によってどれを使うかは色々ありそうです。またpleasureの代わりにhonorが使われる場合もあります。

また同様に発表に関する感謝・喜びを示す表現としてIを主語にする場合は

I’m pleased/ excited/ delighted to~

などがあります。

ちなみにthankを使った表現として「お招きいただきありがとうございます。」は

Thanks for inviting me.

などが直訳的ですが、医療系Podcastのインタビューを聞いていると、冒頭の場面で以下の表現も非常によく聞かれます。

Thank you for having me.

これも「呼んでいただきありがとうございます。」という意味になります。

haveを使うという発想がなかなか日本語からはありませんが、定型表現の一つとして覚えておくと良さそうです。

今回は以上の内容になります。次回は質疑応答での表現についてまとめていきます。

参考動画・サイト・書籍

あまり数は多くありませんが、実際の国際学会の発表動画をみると表現や流れが分かりやすいです。表現もいくつかはこちらから抽出しています。

参考動画

*1 American Heart Association公式の心不全ガイドラインレクチャー動画です
https://www.youtube.com/watch?v=1Q4Ba79BZY8

*2 American Academy of Neurologyのpress conferenceの動画です
https://www.youtube.com/watch?v=x4CbHZB7_qU

こちらもAHAのレクチャー動画で参考になります
https://www.youtube.com/watch?v=zsHIvtbBxzM

こちらはAHAですがstrokeに関する発表動画です
https://www.youtube.com/watch?v=V_I_Gdeh4As

参考サイト

アカデミアに限った表現となると意外と少ないのですが、以下のサイトにいくつか表現がありました。

https://www.library.osaka-u.ac.jp/doc/TA_20160624_EN.pdf

http://scienceandtechnology.jp/archives/31410

https://www.shadoten.com/lab/international_conference/

参考書籍

『ネイティブが教える 日本人研究者のための国際学会プレゼン戦略』
こちらの本は邦訳本ですが、元の本は国際学会のみならず論文やメールの書き方など幅広い範囲にわたってアカデミアで役立つ英語の使い方を解説してくれているシリーズです。便利なフレーズがたくさん載っているというより、スライドの作り方や内容の練り方、TEDからのプレゼンの学び方、学会での交流の方法、面談の取り付け方などなど包括的に学会の場面で使える知識と経験を与えてくれる一冊となっています。国際学会を控えている人にはぜひともおススメします。

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