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現代数理統計学の基礎 6章 問13-1

平均0, 分散θの正規分布についての問題。

まず(1)は分散のフィッシャー情報量を求める問題ですね。

問12で書いたように対数尤度関数の二回微分を求めていけばよいので、まず対数尤度関数が

\[
\log f(x|\theta) = \log \frac{1}{\sqrt{2\pi\theta}} e^{-\frac{x^2}{2\theta}} \\
= -\frac{x^2}{2\theta} – \frac{1}{2} \log \theta – \frac{1}{2} \log 2\pi
\]

θで2回微分すると

\[
-\frac{x^2}{\theta^3} + \frac{1}{2\theta^2}
\]

よってフィッシャー情報量を求めていくと

\[
I_1(\theta) = E \left[-\left(-\frac{x^2}{\theta^3} + \frac{1}{2\theta^2} \right) \right] \\
= \frac{E[x_1^2]}{\theta^3} – \frac{1}{2\theta^2} \\
= \frac{1}{2\theta^2}
\]

となります。

ちなみに最後の方の式では、 \( E[x] = 0 \) なので

\[
E[x_1^2] = Var(x_1) = \theta
\]

を利用しています。

よってn倍すればn個のデータのフィッシャー情報量になるので

\[
I_n(\theta) = \frac{n}{2\theta^2}
\]

逆数がクラメール・ラオの下限になるので

クラメール・ラオの不等式は

\[
Var(\hat\theta) \geq \frac{2\theta^2}{n}
\]

となります。

2件のコメント

大阪で整形外科の医師をしているものです.tosuke先生の解説は大変に分かりやすく.大変助けられています.
Q6-13 (1) 単なる誤植であることは十分承知していますが,一応修正が必要かと思いましてコメントさせていただきます.In(θ)のところはn/(2θ^2)かと思います.ですので,逆数にしてクラメール・ラオの下限は2θ^2/nになるかと思います.

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