平均0, 分散θの正規分布についての問題。
まず(1)は分散のフィッシャー情報量を求める問題ですね。
問12で書いたように対数尤度関数の二回微分を求めていけばよいので、まず対数尤度関数が
\[
\log f(x|\theta) = \log \frac{1}{\sqrt{2\pi\theta}} e^{-\frac{x^2}{2\theta}} \\
= -\frac{x^2}{2\theta} – \frac{1}{2} \log \theta – \frac{1}{2} \log 2\pi
\]
θで2回微分すると
\[
-\frac{x^2}{\theta^3} + \frac{1}{2\theta^2}
\]
よってフィッシャー情報量を求めていくと
\[
I_1(\theta) = E \left[-\left(-\frac{x^2}{\theta^3} + \frac{1}{2\theta^2} \right) \right] \\
= \frac{E[x_1^2]}{\theta^3} – \frac{1}{2\theta^2} \\
= \frac{1}{2\theta^2}
\]
となります。
ちなみに最後の方の式では、 \( E[x] = 0 \) なので
\[
E[x_1^2] = Var(x_1) = \theta
\]
を利用しています。
よってn倍すればn個のデータのフィッシャー情報量になるので
\[
I_n(\theta) = \frac{n}{2\theta^2}
\]
逆数がクラメール・ラオの下限になるので
クラメール・ラオの不等式は
\[
Var(\hat\theta) \geq \frac{2\theta^2}{n}
\]
となります。
大阪で整形外科の医師をしているものです.tosuke先生の解説は大変に分かりやすく.大変助けられています.
Q6-13 (1) 単なる誤植であることは十分承知していますが,一応修正が必要かと思いましてコメントさせていただきます.In(θ)のところはn/(2θ^2)かと思います.ですので,逆数にしてクラメール・ラオの下限は2θ^2/nになるかと思います.
>show55さん
修正させていただきました。ご指摘ありがとうございます。