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現代数理統計学の基礎 6章 問15

久々になりましたが統計学基礎の解説に戻ります。

問14は3章の別の問題の結果を多用しすぎていて

正直解説が若干めんどくさい、、、ので問15。

母数θを用いた関数の不偏推定量について

与えられるクラメールラオの不等式の問題です。

コーシーシュバルツの不等式を用いて証明していきます。

コーシーシュバルツの不等式はネットで検索してみてください。

 2乗の和≧各数積の和の2乗というのですね。

期待値について用いると以下のような使い方になります。

\[
\{E[(\hat{h}(x) – h(\theta)) S_n(\theta, x)]\}^2 \leq E[\{\hat{h}(x) – h(\theta)\}^2] E[\{S_n(\theta, x)\}^2] \]

ここで右辺は

\[
E[\{\hat{h}(x) – h(\theta)\}^2] E[\{S_n(\theta, x)\}^2] \] \[
= \operatorname{Var}(\hat{h}) I_n(\theta)
\]

となります。

\( h(\theta) \) の不偏推定量が \( \hat{h}(x) \) なので

逆に言えば、\( \hat{h}(x) \) の期待値は必ず \( h(\theta) \) になります。

なので分散の定義に当てはまるわけです。

この時点でかなり解答に近づいています。

あとは左辺の中括弧の中身を \( h'(\theta) \) に変換できれば証明できます。

まず左辺を展開して

\[
E[(\hat{h}(x) – h(\theta)) S_n(\theta, x)] \] \[
= E[\hat{h}(x) S_n(\theta, x)] – E[h(\theta) S_n(\theta, x)] \]

となります。

ここで

\[
E[S_n(\theta, x)] = \int \frac{\frac{d}{d\theta} f_n(x|\theta)}{f_n(x|\theta)} f_n(x|\theta) dx
\] \[
= \frac{d}{d\theta} \int f_n(x|\theta) dx = 0
\]

なので第2項は消えます。

第1項は

\[
E[\hat{h}(x) S_n(\theta, x)] = \int \hat{h}(x) \frac{\frac{d}{d\theta} f_n(x|\theta)}{f_n(x|\theta)} f_n(x|\theta) dx
\] \[
= \frac{d}{d\theta} \int \hat{h}(x) f_n(x|\theta) dx
\] \[
= \frac{d}{d\theta} E[\hat{h}] = \frac{d}{d\theta} h(\theta) = h'(\theta)
\]

となるので

\[
Var_\theta (\hat{h}) \geq \frac{\{h'(\theta)\}^2}{n I_1(\theta)}
\]

が証明されました。

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