前日にコーパスに基づいた英語表現の磨き方について書きました。
そこで、論文を書くときに探した医学論文で使われやすい英語表現を、ストックしていこうと思います。
「~より施設に紹介された患者」や「~と呼ばれている」といった表現として使える”refer”について書きます。
目次:
単語の意味と共起表現、クラスター
referは~を言及する/参照する/紹介する、などの意味を持つ他動詞です。名詞形としてreference=引用文献としてもよく論文では使われます。
副詞・前置詞の共起表現ではas, often, sometimes, commonlyなどas以外には頻度を表す副詞と一緒に良く使われているようです。
クラスターとして上位に来るのはreferred to, referred to asといった前置詞との組み合わせ+過去分詞形です。
refer to~は「~を参照にする」
refer A to Bは「AをBに紹介する」
refer to A as Bは「AをBと呼ぶ」という意味で使われます。
過去分詞形になるとA referred to as Bで「AはBと呼ばれている」となり、論文で専門用語を説明する際に汎用性が高いです。
実際の例をみてみます。
用例
nativeの書いた手持ちの論文から、上述の意味の用例を引用してみます。
refer A to B=「AをBに紹介する」を用いた例です。
Twenty eight patients referred to our department between 1983-87 were included in this study.*1
紹介された患者について調べられたstudyのmethodですね。
続いて
refer to A as B=「AをBと呼ぶ」の用例です。
MOG-IgG is now considered to denote a disease entity in its own right, distinct from classic MS and from AQP4-IgG-positive neuromyelitis optica spectrum disorders (NMOSD), which is now often referred to as MOG-IgG-associated encephalomyelitis (MOG-EM)*2
MOG-IgG抗体は独立した疾患概念で、MOG-EMとしばしば呼ばれている、という内容ですね。共起表現で上位だった”often”と絡めて使われています。
Holmes tremor is also referred to as rubral tremor or midbrain tremor.*3
ホームズ振戦が他にrubral tremor, midbrain tremorと呼ばれていることを示しています。
ちなみに「~を参照にする」という意味もあると書きましたが、「図3を参照」=refer to figure 3といった表現は避けた方が良いようです。
論文校正企業のサイトにそんな記事がありました。↓
指示の言葉として”See Table 2″、”Refer to Figure 6″は使わない | エディテージ・インサイト
まあ確かに論文読んでて()内に示してはありますが、わざわざrefer toと書かれているのはあまり見たことがないですね。
引用文献:
*1. Klockgether T, Schroth G, Diener H-C, Dichgans J, Germany W. Idiopathic cerebellar ataxia of late onset: natural history and MRI morphology. Vol. 53, Neurosurgery, and Psychiatry. 1990.
*2.Jarius S, Paul F, Aktas O, Asgari N, Dale RC, de Seze J, et al. MOG encephalomyelitis: international recommendations on diagnosis and antibody testing. Nervenarzt. 2018;
*3. Louis BED. By Elan D. Louis, MD, MS, FAAN. 2019;959–75.
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