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現代数理統計学の基礎 5章 問6

マルコフの不等式を使った問題をやってみます。

まずは(1)から。

標準正規分布に従うZに対して

不等式の証明

P(|Z| \geq t) \leq \frac{2}{t} \phi(t)

を証明します。

P(|Z| \geq t) \leq \frac{1}{t} E[Z \mid |Z| \geq t]

= \frac{2}{t} \int_t^\infty z\phi(z)dz

= \frac{2}{t} \left[ -\frac{1}{\sqrt{2\pi}} \exp \left(-\frac{z^2}{2} \right) \right]_t^\infty

= \frac{2}{t} \phi(t)

補足

マルコフの不等式は、(X) を非負の確率変数として

P(X \geq c) \leq \frac{E[X]}{c}

と表されます。また、

P(X \geq c) \leq \frac{E[X \mid X \geq c]}{c} \leq \frac{E[X]}{c}

とも言えるので、上記の最初の式変形ができます。

また、2つ目の式変形は (Z) が標準正規分布に従うため、対称性があることから成り立ちます。

(2)の証明

e^{-at} M_X(t) = e^{-at} E[e^{tX}]

\geq P(e^{tX} \geq e^{ta})

= P(X \geq a)

ここで、不等号の部分でマルコフの不等式を使用しています。