昨日に引き続き、診療におけるエラーのお話。
参考文献は「長谷川耕平・岩田充永 内科救急見逃し症例カンファレンス 医学書院」です。
大まかに分けて4つのエラーとそれに従ったタイプがあります。
知識→それによる情報収集→情報の処理→情報の検証
それぞれの過程での誤りに対応した種類分けです。
①間違った知識
知識不足による思い込み・・・CRP上昇はないから、髄膜炎ではない
スキルの不足・・・腱反射陰性(実はうまくとれていないだけ)
②情報収集のエラー
基本的な帰属の誤り・・・いつもの精神的な症状だろうと考えて診察を怠る
③情報処理のエラー
トリアージバイアス・・・トリアージナースの診断をそのまま信じる
ラベリング・・・アルコール中毒患者とレッテルを貼って患者を診る
④情報検証のエラー
アンカーリング・・・ある疾患だと思い込んで他の鑑別が挙がらない
知識不足による①は特に若手のうちは頻繁に起きているように思いますが
②も「研修医が所見をとってるからいいだろう」として怠る場合は自分もあります。
③はトリアージナースに限らず前医の診断に振り回されることは良くありますし
④は治療を始めてしまって中々他の可能性をきちんとみられないことはあります。
大事なのはこうしたエラーのあり方を知って振り返ることかな、と思います。
後になって振り返るのも重要ですが、こうしたエラーが起きやすいというのは
分かっているので診療の途中でもぜひ振り返りたいものです。
そこで、このエラーの分類の元になった論文を書いたStanford大学の先生の
別の論文もちらっとみてみたので明日紹介を書きます。
コメントを残す