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脳波について自習してみる③ -突発性の異常(正常亜型)-

脳波の自習まとめを引き続き暇あればやってます。

前回記事はこちら

脳波について自習してみる② -非突発性徐波- – 脳内ライブラリアン

 

今回は突発性の異常所見のなかで正常亜型について。

これが一番難しいと思うんですよね、、、。アーチファクトとの見分けもつきにくいし、てんかん性放電とも見分けにくいし。突発性なのかどうかよくわからないときもあるし。

 

とにかくひとまずは勉強してみます。参考文献は最後に入れておきますが、文献の他、過去にてんかんの教育セミナーで学んだことも書いてます。メモ程度のまとめなので、参考にする人もいないとは思いますが、診療にそのまま使わないでください。

 

①頻度・疫学、②出るタイミング③部位、④特徴・注意点の順に記載してまとめてみます。

 

目次:

 

非賦活時(覚醒で何も負荷なし)にみられる正常亜型

 

ミュー波

①若年成人で数%にみられる。

②覚醒時

③両側中心部(C3,4)にみられ、片側に局在することもある

④9-11Hzの櫛状波、対側の手を握ったりすると抑制される。

開眼では抑制されないため、α波が開眼で抑制されたときに目立ちやすく

形状から棘波との混同に注意が必要。

 

ラムダ波

①31-50歳で36%近くにみられる

②興味のあるものをみているときに後頭部が陽性荷電するため認められる

 明るい部屋でテレビをみているときなどにみられる

③後頭部

④50μV以下であることが多い、Sharp transient

 

若年者後頭部徐波 posterior slow waves of youth

①8-14歳で最もみられ、21歳以上では稀。

③後頭部にみられる

④2-3Hzの徐波で、α波と混じると棘徐波複合に見えるときがあるので注意。

 

slow α variants

④4-5Hz程度でα波と交代性もしくは混合して出現する。

α波の1/2ほどの周波数で調和的な関係にある。

 

6Hz棘徐波(FOLD, WHAM)

①若年成人で主にみられる、2.5%ほど

②リラックスした覚醒期~傾眠期に出現

③両側同期性、全般性。

④spike&wave patternだが

出てくる状況によって解釈が異なる。

female, occipital, low(50μV以下), drowsy→病的意義はない

waking, high(50μV以上), anterior, male→てんかんで多い

 

ブリーチリズム

③骨欠損した部位にみられる。

④振幅の高い速波もしくはミュー波様の波形が目立つ。

 徐波を伴うこともある。

 

 

入眠時~睡眠時にみられる特徴的な脳波

 

睡眠時後頭部陽性鋭一過波positive occipital sharp transient of sleep(POSTS)

①15-35歳で良く認められる

②入眠期(第Ⅰ期)

③後頭部

④4-5Hzの陽性鋭波、非対称性もある、連発することもある

 

頭蓋頂一過性鋭波(vertex sharp transient)

②入眠期(第Ⅰ期)

③頭蓋頂

④高振幅の鋭波

 

紡錘波(spindle)

②入眠期(第Ⅱ期)

③前頭部~中心部優位

④12-14Hz、精神遅滞や脳性麻痺だと広汎にみられることがある

 

K複合(K complex)

②入眠期(第Ⅱ期)

④陰性陽性の2相性高振幅徐波とそれに続くspindle

 

睡眠時にみられる正常亜型

 

小鋭棘波small sharp spikes(SSS)

①健常成人の25%でみられる

②入眠~軽睡眠時

③側頭部に多い、両側・片側性ともにある

④常同的、非周期性に出る

低振幅(50μV以下)かつ持続が短い(50ms未満)

 

14&6Hz陽性棘波

①12~20歳でよくみられる、20-60%

②主に入眠期

③後頭部~側頭部、両側・片側性ともにある

④櫛型、律動性の陽性棘波、14Hz+6Hzがセットでみられる

 

律動性中側頭部放電rhythmic mid-temporal discharges(RMTD)

①若年成人にみられる

②傾眠期

③側頭部、両側・片側ともにある

④律動性θ波、5s~1minほど持続

 

ウィケット棘波

①50歳以降に0.9%でみられる、30歳以上が大半

②入眠期~軽睡眠期、まれに覚醒期にもみられる

③側頭部、両側片側ともにあり

④単相性、wicket(小窓)のような形をしている、μ波に似ている

 

成人無症状性律動性電気的放電subclinical rhythmic elctrographic discharges of adults(SREDA)

①慢性虚血や低酸素状態に関連するとされており、高齢者でみられる

④高振幅・単相性の鋭波もしくは徐波→周波数が増えていき4-7Hzの正弦波パターンとなる

 

参考文献:

現在セルフラーニングに使用中です。

図が大きくて文章も少なめで読みやすいです。

誘導も図をみながら分かり易く解説されてます。

読みやすさはNo.1。通読可能で一番最初に読むものとしてお勧め。

 

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