平方変換の問題シリーズです。問14は結構簡単なので飛ばして、問15をやります。
これがちょっと厄介なんですね。
問12の記事で書いたように、分布関数から考えると \( Y = X^2 \) の平方変換をする場合
\[
F_Y(y) = P(Y \leq y) \\
= P(X^2 \leq y) \\
= P(-\sqrt{y} \leq X \leq \sqrt{y})
\]
となることから、両辺を微分して
\[
f_Y(y) = \{ f_X(\sqrt{y}) + f_X(-\sqrt{y}) \} \frac{1}{2\sqrt{y}} dy
\]
となることが本書内では命題となっていました。
ただし、ここで問題なのはxの範囲が非対称である場合。
上記の式における
\[
P(X^2 \leq y) \\
= P(-\sqrt{y} \leq X \leq \sqrt{y})
\]
が成り立たなくなります。
問15では \( -1 < x < 2 \) なので、 \( -1 < x < 1 \) の範囲では上記の式が成り立ちますが、 \( 1 < x < 2 \) においては \( x \) が \( -2 \sim 1 \) の値をとれないために、上記の式が成り立ちません。
よって、場合分けをして考える必要があります。
- \(-1 < x < 1\)(\( 0 < y < 1 \))においては上記の式を使って
\(f_Y(y)=\{f_x(\sqrt y)+f_x(-\sqrt y)\}\frac{1}{2\sqrt y}\\=\frac{\frac{2}{9}(\sqrt y+1-\sqrt y+1)}{2\sqrt y}\\=\frac{2}{9\sqrt y}\)
続いて \( 1 < x < 2 \)(\( 1 < y < 4 \))においては元の式に立ち戻って
\[
F_Y(y) = P(Y \leq y) \\
= P(X^2 \leq 1) + P(1 < X^2 < y) \\
= \int_{-1}^{1} \frac{2}{9} (x+1) dx + P(1 < X < \sqrt{y}) \\
= \frac{4}{9} + \int_{1}^{\sqrt{y}} \frac{2}{9} (x+1) dx \\
= \frac{2}{9} \left(\frac{1}{2} + \sqrt{y} + \frac{y}{2} \right)
\]
これを微分して
\[
f_Y(y) = \frac{1}{9} \left(\frac{1}{\sqrt{y}} + 1\right)
\]
となります。
応用問題解くには原義まできちんと理解することが大事ですね。
『現代数理統計学の基礎』解説ページのまとめはこちら
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