ポアソン分布が標準正規分布に収束することの証明
ポアソン分布に従う確率変数 X が \lambda \to \infty のときに
\frac{X – \lambda}{\sqrt{\lambda}} = Z
が標準正規分布に収束することを証明します。
2017年の統計検定1級の問3の最後で全く同じ問題が出ています。
お馴染みのテイラー展開を活用して解いていきます。
分布の極限を求める際には、変数変換や平方変換、確率積分変換などの方法がありますが、今回はモーメント母関数を利用して解いていきます。
ポアソン分布のモーメント母関数
ポアソン分布のモーメント母関数は
M_X(t) = \exp[\lambda(e^t – 1)]
でした。
よって、確率変数 Z のモーメント母関数は
M_Z(t) = E[e^{tZ}]
= E\left[e^{\frac{X – \lambda}{\sqrt{\lambda}}t}\right]
= e^{-\lambda t} \exp[\lambda(e^t – 1)]
対数をとり、テイラー展開を利用
\log M_Z(t) = -\sqrt{\lambda} t + \lambda \left(e^{\frac{t}{\sqrt{\lambda}}} – 1\right)
= -\sqrt{\lambda} t – \lambda + \lambda + \sqrt{\lambda} t + \frac{1}{2}t^2 + \frac{1}{3\lambda}t^3 + \dots
= \frac{t^2}{2} + \frac{1}{3\lambda}t^3 + \dots
ここで、2項目以降の項は \lambda \to \infty のときすべて 0 になるので
\log M_Z(t) = \frac{t^2}{2}
となり、標準正規分布のモーメント母関数と一致します。
結論
以上より、ポアソン分布が標準正規分布に収束することが示されました。
基本的な考え方は、二項分布が正規分布に近似されるド・モアブル=ラプラスの定理とも同じです。
詳細な解説は以下の記事でも取り上げられています。
https://nounai-librarian.com/2020-10-02-054015/
どちらも重要な問題なので、統計検定1級の数理統計ではまた出るかもしれません。
コメントを残す