久々に統計検定の記事を更新です。次回の1級受験に向けて、2023年の統計応用(医薬生物学)をみていきます。
(1)
まず、T群の対数オッズは
\(X_T=1\)より
\(log(\frac{\pi_T}{1−\pi_T})=\alpha+\beta\)
C群の対数オッズは:
\(X_C=0\)より
\(log(\frac{π_C}{1−πC})=α\)
よってT群とC群に対するオッズ比は
\(log(\frac{\pi_T}{1−\pi_T})-log(\frac{π_C}{1−πC})=\beta\)なので
expβとなる。
(2)
対数尤度関数の導出をしていきます。
\(L(α,β)={_{10}C_7}π_T^7(1−π_T)^3×{_{10}C_4}π_C^4(1−π_C)^6\)
\(logL=log{_{10}C_7}+7logπ_T+3log(1−π_T)+log{_{10}C_4}+4logπ_C+6log(1−π_C)\)
ここで、定数を除外して
\(logL’=7logπ_T+3log(1−π_T)+4logπ_C+6log(1−π_C)\)
(1) より
\(\pi_T = \frac{\exp(\alpha + \beta)}{1 + \exp(\alpha + \beta)}\)
\(\pi_C = \frac{\exp(\alpha)}{1 + \exp(\alpha)}\)
これを代入して整理して
\(logL′=11α+7β−10log(1+exp(α))−10log(1+exp(α+β))\)
(3)
γ=0のときのα,βを最尤推定すれば良いので
\(\frac{\partial}{\partial \alpha} \log L’ = 11 – 10 \frac{\exp(\alpha)}{1 + \exp(\alpha)} – 10 \frac{\exp(\alpha + \beta)}{1 + \exp(\alpha + \beta)} = 0\)
\(\frac{\partial}{\partial \beta} \log L’ = 7 – 10 \frac{\exp(\alpha + \beta)}{1 + \exp(\alpha + \beta)} = 0\)
これを解いて
\(\frac{2}{5} = \frac{\exp(\alpha)}{1 + \exp(\alpha)}\)
\(\exp(\alpha) = \frac{2}{3}, \alpha = -0.4055\)
\(\exp(\beta) = \frac{7}{2}, \beta = 1.253\)
(4)
対数尤度比logλ(γ)がカイ二乗分布に従うことを利用します。以下の式です。
\(-2 \log \lambda(\gamma) \sim \chi^2_1\
ちなみに尤度比λ(γ)は以下で表されます。
\(\frac{L(\gamma = 0)}{L(\hat{\gamma}_{\text{MLE}})}\)
これはL(γ= 0)をγ周りでテーラー展開することで証明します(現代数理統計学の基礎p.151参照しました)。
なので、ここで2をかけているのはテーラー展開の2次の項の\(\frac{1}{2}\)を補正するためと意識しておくと覚えやすいです。
また、−をかけるのはlogL(γ=0)の方が最尤推定の対数尤度より小さいのが当然ですね(カイ二乗分布は正なので正にしないといけない)。
答えは
\(-2 \times \{ -12.84 – (-11.79) \}=2.1\)
(5)
ほぼ割愛しますが、予測確率0.6以上を効果ありとして、それぞれの行に対して実際に効果ありなしの人数を元の表を見て集計します。
陽性的中率は効果ありとなっている行の合計人数を計算して分母とし、そこから実際に効果あった人の人数を分子にすれば計算できます。
同様に陰性的中率は効果なしとなっている行の合計人数を分母とし、実際に効果なかった人の人数を分子にします。
そのほか、過去問・解説記事・参考書のまとめはこちら↓
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