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【書評】脳が認める勉強法 ベネディクト・キャリー著 花塚 恵訳

勉強法の本というと常に本屋で平積みにされているくらい多くあって

かつ人気の本ですが、この本は他の勉強法の本とは「科学的根拠」という点で

一線を画しています。

 

勉強法の本では例えば「東大生の認める~」「ハーバード大卒の~」

「起業して~万円稼ぐ人の~」というように、一般に成功者とされる

学歴・職業の人のいわばcase study(一例報告、よくてもあるグループで

ひとまとめにした程度)が多くあります。

 

こうした本はあくまで個人例であるので普遍性にかけることと

自分に適応できないかもしれないということが問題点として存在します。

適応できない、というのはつまり自分のなりたい目標ややりたいことと一致するか

どうかで、別に東大生やハーバード大学卒になりたいわけでもなければ

あんまりそういった勉強法を特別視する必要性もないと思います。

 

その点本書では、それぞれの勉強法の根拠を過去の研究にまでさかのぼって丁寧に

根拠となる論文・研究を洗い出しています。例えば「エビングハウスの忘却曲線」

は非常に有名な記憶に関わる研究ですが、そこで使われた記憶するものって

何だったかご存知でしょうか。さらに忘却曲線の経過に沿わない場合もある

というのは知っていたでしょうか。本書にはこれらの内容についても

詳細に触れられています。

 

第1章では脳自体の記憶するシステムについて触れ、その後記憶力を高める方法、問題解決するためのひらめきを生み出す方法、また学習における無意識の力、と話が進められていきます。どんな内容の勉強をする人でも幅広く応用できる、普遍的な知識が詰め込まれており、自らの勉強方法を見直してみたい、そんな学生から社会人まで強くお勧めできる良書でした。

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