グラム陰性菌菌血症の治療期間に関するRCT【JAMA】

さて、今日は専門的な内容でちょっと普段の診療に役立ちそうなものを。

 

昨日出たJAMAの論文です。

Effect of C-Reactive Protein–Guided Antibiotic Treatment Duration, 7-Day Treatment, or 14-Day Treatment on 30-Day Clinical Failure Rate in Patients With Uncomplicated Gram-Negative Bacteremia

 

PICOに沿ってまとめると

 

P:グラム陰性菌菌血症の患者504名を
I:CRP guided antibiotic treatment(後述)と7日間抗生剤治療群と
C:14日間抗生剤治療群にランダム化して
O:30日時点での菌血症の治療失敗率

 

を比較した論文です。

 

結果としてCRP guided treatmentと7日間治療群、14日間治療群では
有意差が認められなかった、となっています。

 

この結果が良いのは入院期間の短縮につながり、コストや患者さんの負担軽減に加え
高齢者では認知機能低下や入院による廃用の進行を予防できること
さらに耐性菌やCD腸炎のリスクを下げることが出来る点です。

 

ちなみにグラム陰性菌の菌血症はup to date:Gram negative bacillary bacteremia in adultsの項目をみても7-14日間(著者の意見としては7日間推奨)とありますが、CRPを指標にした治療期間の決定を含めたランダム化比較試験は今までなかったようです。

 

詳しく見ていきます。

 

 

まずP(患者)ですが、グラム陰性菌菌血症の18歳以上の患者を組み入れていますが
重度の免疫不全症例や膿瘍形成、感染性心内膜炎など治療期間が変わりうる患者は除外しています。題名の通りあくまでuncomplicated bacteremiaなわけですね。

年齢は中央値で各群ともに78-80歳と高齢者が多く、普段我々が臨床でみる患者層と似通っています。起因菌についてもE.coliが7割以上で、感染部位も尿路感染が6-7割とよくみる菌血症です。

 

続いてI(介入群)ですが、CRP guided の治療期間とはピーク時からCRPの値が75%以上低下したときに抗生剤治療を終了することを指します。methodsを読むとCRPの値は1-2日毎に検査して下がり始めた場合にその前の値をピーク値としていました。
絶対値ではなく%が有用なのは、担癌患者や術後患者などCRPが別の要因で上がりうる人や慢性的に高めな人などもいるため%を用いるのは良い手段だと思います。ちなみにこのCRP guided treatmentの治療期間は最頻値が7日間となっており、14日間を超える患者さんはごく少数でした。

 

C(コントロール群)はそのままですね。14日間の抗生剤治療です。ちなみに割り付けはCRP guided群170名、7日間抗生剤治療群169名、14日間抗生剤治療群165名でした。

で、O(アウトカム)は主に菌血症の再燃(同じ臓器や他の臓器が感染を起こし同種の菌が検出された場合)に加えて、すべての死因による死亡を指します。

 

再発率の結果は

CRP guided群 2.4%
7日間抗生剤治療群 6.6%
14日間抗生剤治療群 5.5%

でした。各々の群で有意差を片側検定(14日治療のほうが当然良いという前提)で出しています。検定としてはCRP guided vs 14日間と7日間 vs 14日間の2回行っていますが、p<0.001なので多重検定の問題もなさそうです。CRP guideで治療期間決めようとすると比較的頻回採血が必要になるのでCRPの推移も考慮しながら基本的には7日間とするのが良いのかもしれないですね。