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2022年統計数理の解答例 問4【統計検定1級対策】

最尤推定と変数変換ができれば解ける比較的スタンダードな問題でした。逆に本番はこれくらいしかできませんでしたね、、、。

久々に統計数理に触れましたが、リハビリには良い問題でした笑

(1)

累積分布関数から確率密度関数を求めるだけの問題です。
与えられたF(x)を微分して

\(f(x)=\frac{1}{\gamma}x^{\frac{1}{\gamma}-1}(x>1)\)

となります。

なお、γ=1のとき
\(f(x)=\frac{1}{x^2}\)
なので、それをグラフに書けばおしまいです。

(2)

続いては期待値と分散の問題。γの範囲に注意せよ、という優しいアドバイス付きです。まず期待値についてみてみますと

\(E[X]=\int_1^{\infty}\frac{1}{\gamma}x^{-\frac{1}{\gamma}}dx\\=[-\frac{1}{1-\gamma}x^{-\frac{1}{\gamma}+1}]_1^{\infty}\)

と書けます。この時、γの値が1より大きいと発散してしまうことがわかります。そのため0<γ<1について考えて

\(E[X]=\frac{1}{1-\gamma}\)

となります。また、1<γの時は発散します。

続いて分散ですが、いつものパターンの如く、\(E[X^2]\)から求めていきましょう。

\(E[X^2]=\int_1^{\infty}\frac{1}{\gamma}x^{-\frac{1}{\gamma}+1}dx\\=[-\frac{1}{1-2\gamma}x^{-\frac{1}{\gamma} 2}]_1^{\infty}\)

さてここでもγの範囲に注意が必要です。1/2より大きいときは発散しますので、0<γ<1/2を考えると

\(E[X^2]=\frac{1}{1-2\gamma}\)

となります。

よって、分散は0<γ<1/2のとき

\(V(X)=\frac{1}{1-2\gamma}-\frac{1}{(1-\gamma)^2}\\=\frac{\gamma^2}{(1-2\gamma)(1-\gamma)^2}\)

となり、1/2<γのとき発散となります。

(3)

続いて最尤推定の問題。普通に計算するだけですね。

対数尤度関数は
\(logL(\gamma)=-nlog\gamma+\sum(-\frac{1}{\gamma}-1)logx_i\)
なので微分して=0とおきます。
\(-\frac{n}{\gamma}+\frac{1}{\gamma^2}\sum logx_i=0\)

これを解けば
\(\hat\gamma=\frac{1}{n}\sum logx_i\)
となります。

(4)

変数変換の問題です。(5)への布石となっています。

\(T=\frac{1}{\gamma}logX(X>1)\)
なのでT>0であることが分かります。

ここで変数変換を行います。
\(x=e^{\gamma t}\)
\(\frac{dx}{dt}=\gamma e^{\gamma t}\)
となりますので

\(f_T(t)=\frac{1}{\gamma}e^{-t-\gamma t}\gamma e^{\gamma t}\\=e^{-t}(t\gt0)\)

となります。これはパラメータλ=1とする指数分布となることが分かります。

(5)

さて後は(4)を活かして推定値の期待値を分散を求めます。

\(E[\hat\lambda]=E[\frac{1}{n}\sum logx_i]\\=E[\frac{\gamma}{n}\sum t_i]\\=\gamma\)

さっくりと綺麗にできますね。続いて分散です。

\(V(\hat\lambda)=\frac{1}{n^2}V(\sum logx_i)\\=\frac{\gamma^2}{n^2}\sum V(t_i)\\=\frac{\gamma^2}{n}\)

でした。計算量もそこまでないので狙い所だったと思います。

関連記事

なお、他の2022年度の問題についてはこちらにまとめてます。

3件のコメント

初めまして。記事を拝見させていただきました。
昨年、統計検定1級の統計応用(医薬生物学)を受験した者です。
医薬生物学については、インターネット上の情報が少なく、脳内ライブラリアンさんのように同志がいるというだけでも勇気づけられます。
脳内ライブラリアンさんをはじめとした偉大な先人たちに触発されて、私も、自分が勉強した統計学の内容を備忘録的に記録するブログを作成しています。
よろしければ、一度のぞきにいらしてください。

あるノマドの知の旅路~数学・統計学への道
https://nomad-load-to-math-and-statistics.blogspot.com/

あるノマドさん>
コメント有難うございます。ブログを拝見させていただきましたが、素晴らしい内容ですね。
当ブログよりも見やすく明瞭ですし、ハイペースの更新にもかかわらず内容も非常に充実されていて大変参考になりました。
おっしゃる通り医薬生物学の内容についてはインターネット上ですら情報が少ないので
今後参考にさせていただきます。

当ブログを訪問される方は統計検定1級に興味がある方も多いので
もし差し支えなければ当ブログでの「統計検定1級の試験範囲と過去の記事・お役立ちサイト・参考書をまとめてみた」という記事での追記紹介と
おすすめ/関連サイトでリンクを貼らせていただくことは可能でしょうか?

tosukeさん>
こちらこそ、ご返信ありがとうございます。ご紹介いただけるのであれば、大変光栄でございます。
ぜひとも、ご紹介ください。

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