ちょくちょく医学英語表現の勉強をしていきますが、今回は”distinct”について、コーパスでの情報と用例を見ていこうと思います。
目次:
単語の意味と共起表現、クラスター
distinctは明確な/別個のなどの意味を持つ形容詞です。
共起表現としては名詞のgroup, advantageなどと相性が良く、動詞ではidentify, represent、副詞ではquite, geneticallyなどと一緒に使われます。
「全く別のものですよー」というのを明確に表すことができ、他のものとくっきり区別するイメージになるかなと思います。これらの表現を使った例文を順にみていきます。
ちなみにクラスターとしてはfromを用いてdistinct from~(~と異なる)とか
as a distinct~(別個の~として) というような形で良く用いられているようです。
用例
手持ちの論文からまず例文を紹介します。
3 distinct groups based on cluster analysis were identified*1
これはパーキンソン病のreviewから持ってきた表現ですが、「3つの別個の(臨床的な)グループが大規模に分析したら見つかりましたよ」という話です。identify, groupsといった単語との関連が良いことが分かります。
many attempts have been made to identify distinct clinical syndromic patterns. *1
同じ論文からの引用です。「別個のパターンを見つけだす」という表現で使われています。identifyはここでも使用されてますね。
次はdistinct from~です。
DNA analyses show that it is distinct from all other herpes simplex viruses.
普段あまり見ないですが、analysisが複数形として使われており、複数のサンプルのDNAを分析した結果、他のヘルペスのDNAとは違った、という感じになります。「他のものと違うよ」ということを明瞭に示したい場合に使われますね。
もうひとつ手持ちの論文から用例を。
A form of thyroid disease referred to as IgG4-related thyroiditis, distinct from Hashimoto’s thyroiditis, is purported*1
前回のreferred to as~ ~と呼ばれている、も一緒に使われています。ちなみにpurportは~と噂される、~と言われている、という意味です。
ここではIgG4関連の甲状腺炎が橋本病とは違うんだよ、というのが強調されています。
最後にas a distinctの用例です。
He was the first to identify DNA as a distinct molecule.*3
これはDNAを初めて発見した人の話ですね。他の今までのものとは異なった分子として同定したよ、という意味になります。identifyとの関連性の高さもここでも見出すことができます。「他のものから区別して見つけ出す」という内容で使われやすいのでしょうね。
引用文献:
*1. De Pablo-Fernández E, Lees AJ, Holton JL, Warner TT. Prognosis and Neuropathologic Correlation of Clinical Subtypes of Parkinson Disease. JAMA Neurol. 2019 Apr 1;76(4):470–9.
*2. Kamisawa T, Zen Y, Pillai S, Stone JH. IgG4-related disease. Lancet [Internet]. 2015;385(9976):1460–71. Available from: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(14)60720-0
*3Friedrich Miescher :: DNA from the Beginning
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