今回はニュースなどで頻出な「対立」「論争」に関係する表現をまとめてみます。一口に「対立」といってもその程度やどういった感情を含むのかによって単語はさまざまです。書くときはもちろんのことニュースなどを読むときも違いを意識して読むとより楽しむことができます。
本記事ではconfrontation, conflict, disagreement, controversyの4つの単語の使い分けを見ていきます。それでは早速みていきましょう。
違いのポイント
confrontationは感情的に怒りを伴った意見の対立や論争を指します。カップルとか職場での対立などもこの単語で表現することができるようです。
conflictはより深刻な対立を示します。個人の対立の他、世界各地で起きているようなarmed conflict(武力紛争)といった表現でも使われます。また、医学領域ではよく聞かれるCOI(利益相反)という単語のCはこのconflictsを意味しています。
disagreementは純粋に意見の不一致を示す単語です。個人間での意見の違いがある場合に使われます。
controversyは公で広い範囲に関わる論争を示します。日本語でいう「物議を醸す」という表現もこの単語がしっくりくるように思います。
confrontation
【意味】
怒りを伴った意見の「対立」、「論争」
▶︎なお、形容詞形の”confrontational” は対立を辞さない、対立的な態度のことを言います。
【共起表現】
avoid a confrontation
対立を避ける
risk a confrontation
対立する危険を冒す
provoke a confrontation
対立を引き起こす
escalate a confrontation
対立をエスカレートさせる
have a confrontation
対立する
an armed confrontation
武力対立
a tense confrontation
緊迫した対立
a heated confrontation
激しい対立
confrontation between A and B
AとBの対立
confrontation with A
Aとの対立
【例文】
His attitude provoked the confrontation.
彼の態度がその対立の引き金となった。
This confrontation has been the most violent in recent years.
この対立は近年の中でも最も暴力的なものだ。
It’s best to avoid a confrontation.
対立は避けるに越したことはない。
conflict
【意味】
深刻な意見の「対立」
▶︎disagreementとほぼ似た意味とされていますが、英英辞典ではconflictについてactive disagreement, strongly, seriousなどの言葉が並びます。
▶︎動詞も同じ形で、withを伴って目的語をとります。
▶︎語源としては”com-“(with, together)+fligere(to strike)という意味でぶつかり合うような印象でしょうか。afflict(苦しめる、悩ませる)と語源としては共通していて、afflictは”ad-“(to) ”figere”となっています。
▶︎ちなみに医療業界でもよく出る「利益相反(COI)」はconflicts of interestの略ですね。利益との深刻な対立です。
【共起表現】
resolve a conflict
対立を解消する、解決する
avoid a conflict
対立を避ける
escalate a conflict
対立がエスカレートする
a military conflict
軍事的対立
A conflict arise/ occur
対立が生じる、起きる
conflict over A
Aに関しての対立
【例文】
The new research resolved these conflicts.
新しい研究がこれらの対立を解消してくれた。
There was a lot of conflict between her and her sisters.
彼女と姉妹との間にはいくつもの対立があった。
Conflicts between parents and children become more frequent when children grow up older.
子供たちが歳をとるにつれて、子供と親の対立の頻度は増加する。
disagreement
【意味】
意見の不一致、論争
▶︎confrontationなどとは違い、怒りを伴った強い対立というより純粋に意見の相違を示しています。
▶︎国家などグループというより個人間の意見の相違を表すようです。
【共起表現】
resolve/settle a disagreement
意見の不一致を解決する
voice a disagreement
反対の声をあげる
a fundamental disagreement
根本的な意見の不一致
a sharp disagreement
はっきりとした相違
【例文】
A fundamental disagreement between baysians and frequentists is still not settled.
ベイジアンと頻度主義者の間における根本的な意見の不一致は今だ解決されていない。
Occasionally, disagreement is based on a different understantding the evidence.
意見の不一致は異なったエビデンスの理解によって時折起こる。
controversy
【意味】
(公の、多くの人に関わる)論争
▶︎形容詞系のcontroversialは結論が出ていない問題について医学系の論文でもよく使われますね。辞書における定義にもpublic, affected many peopleといった文言が並びますので、多くの人に関わる大きな問題に使うのが適切そうです。
【共起表現】
spark a controversy
論争に火を付ける
▶︎他の語では見られなかったおしゃれな表現ですね。
stir a controversy
議論を煽る・呼ぶ
attract a controversy
議論を呼ぶ
stir up a controversy
物議を醸す
resolve a controversy
論争を解決する
a considerable controversy
大きな議論
a bitter controversy
激しい議論
【例文】
There is a bitter controversy over the new FDA approved drug.
FDAが承認した新しい薬に関して激しい議論がある。
まとめ
では、最後にイラストでまとめてみます。
類義語に対するネイティブへのQ&Aを見てもconfrontationとconflictは結構似通っているようですが、他はそれなりにしっかりと違いがあるので、ライティングではうまく使い分けたいところですね。
今回の記事のように類義語の違いを中心としてほぼ毎日呟いているtwitterもやってます。英語関連のブログの更新情報もこちらに流します。
tosuke@コーパスで学ぶ!TOEFL・論文・学術英語 (@tosuke93001383) / Twitter
また、図を使って英単語の使い分けを簡潔にまとめたInstagramはこちら。
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参考としたサイト・文献
(単語の意味・語源はこちらを参照Cambridge Dictionary | English Dictionary, Translations & Thesaurus , 英和辞典・和英辞典 – Weblio辞書, ハイパー英語語源辞書, Dictionary.com | Meanings and Definitions of Words at Dictionary.com, Etymonline – Online Etymology Dictionary)
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