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2022年統計数理の解答例 問3【統計検定1級対策】

最近は英語の勉強の方が必要性が高く優先しているので、統計は気が向いたらやっている感じで間隔が空いてしまいましたが、問3についてみていきたいと思います。

混合分布の問題ですね。今になってみれば、、、結構基本的な問題でした。

(1)

まずはポアソン分布の期待値と分散を求める問題ですが、あまりに基本的になので、すみませんが略します。
答えはどちらもパラメータλですね。

(2)

続いてはガンマ分布の期待値と分散の問題。これも基本的すぎるので飛ばします。パラメータαとβを用いて

\(E[\Lambda]=\frac{\alpha}{\beta}, V(\Lambda)=\frac{\alpha}{\beta^2}\)

となります。

(3)

さてここからが混合分布の問題となります。
パラメータλがガンマ分布に従い、ポアソン分布はそのλに従うといったモデルになります。

そうなるとポアソン分布の確率関数をガンマ分布の確率密度関数で重み付けして平均を取る形になりますので

\(P(X=k)\\=\int_0^\infty P(X=k)g(\lambda)d\lambda\\=\int\frac{\lambda^k}{k!}e^{-\lambda}\frac{\beta^{\alpha}}{\Gamma(\alpha)}\lambda^{\alpha-1}e^{-\beta\lambda}d\lambda\\=\frac{\beta^{\alpha}}{k!\Gamma(\alpha)}\int\lambda^{k+\alpha-1}e^{-(\beta+1)\lambda}d\lambda\\= \frac{\beta^{\alpha}}{k!\Gamma(\alpha)}\frac{\Gamma(k+\alpha)}{(\beta+1)^{k +\alpha}}\\=\frac{(k+\alpha-1)!}{k!(\alpha-1)!}(\frac{\beta}{\beta+1})^{\alpha}(\frac{1}{\beta+1})^k\\=NB(\alpha, \frac{\beta}{\beta+1})\)

となり、負の二項分布になることがわかりました。

(4)

続いては(3)で求めた確率分布の期待値と分散です。負の二項分布であることが分かれば簡単に求められます。

一般に負の二項分布NB(r,p)について期待値は
\(E[X]=\frac{r(1-p)}{p}\)
また、分散は
\(V(X)=\frac{r(1-p)}{p^2}\)
となるので答えは

\(E[X]=\frac{\beta+1}{\beta}\alpha\frac{1}{\beta+1}=\frac{\alpha}{\beta}\)

\(V(X)=\frac{(\beta+1)^2}{\beta^2}\alpha\frac{1}{\beta+1}=\frac{\beta+1}{\beta^2}\alpha\)

となります。

(5)

モーメント法を使ってパラメータの推定値を求める問題です。

まず\(\frac{1}{n}\sum X_i=\bar X\)とすると
\(\bar X=E[X]\\\bar X=\frac{\alpha}{\beta}\)
となります。

続いて二次のモーメントについて
\(\frac{1}{n}\sum X_i^2=\frac{\beta+1}{\beta^2}\alpha+\frac{\alpha^2}{\beta^2}\)
ですが、この形だと使いづらいので、標本分散に書き換えます。

\(S^2=\frac{1}{n}\sum(X_i-\bar X)^2\\=\frac{1}{n}\sum X_i^2-{\bar X}^2\)
となるので

\(S^2=\frac{\beta+1}{\beta^2}\alpha\\S^2=\bar X\frac{\beta+1}{\beta}(一次モーメントの式より)\\\beta=\frac{\bar X}{S^2-\bar X}\)

となります。よって、αは一次モーメントの式から

\(\alpha=\frac{{\bar X}^2}{S^2-\bar X}\)

と導けます。最後にパラメータが正となる条件ですが\(\bar X\gt0\)なので\(S^2-\bar X\gt0\)となります。

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